「私は視覚障害があります」というと、高確率で聞かれることがあります。
「どんな風に見えてるの?見え方ってどんな感じ?」

どんな風に見えてるの?
見え方が気になる。

見え方って伝えるの難しいけど…
これは人によって違うものですが、私の病気の特徴とともにお話します。
最初に言っておくと、私は医師ではないので医学的なことはわかりません。
ただ「こういう風に見えています」というお話であることをお断りしておきますね。
裸眼視力は0.01なくて、矯正視力は0.1あるかないかです。
視覚障害者の実際の見え方
私は錐体杆体ジストロフィーという病気で視覚障害になっています。
網膜の病気で、視野の中心部分から障害されて、矯正視力も低下します。
明るい暗いといった光の強さに対応しにくかったり、色の判別が難しくなってきたりします。
そんな病気のある私の実際の見え方をお話します。
視野問題
視野というのは、見える範囲のことをいいます。
中心視野・周辺視野に分けられますが、中心視野が障害されると見えにくくなってしまいます。
中心=見たい部分が見えないってことは、結構不便です。
中心暗点なんて言い方をしますが、暗点とは見えない部分という意味で、黒く見えるわけではなく、なんとなく「ない」という不思議な感じです。
脳が勝手に見えていることにしているようなんですよね。
確かにそこにあるのに、見たいものが存在していないように見えるんです。

実際にあったことですが、道を歩いていて前方から来た車を認識しているのに途中で消えるんですよ。
そして真横で車登場!
知らないうちに曲がったのかなって思っていた車が急に真横を通り過ぎるんです。
背景は脳が勝手に補填しているのか違和感なく見えているのに、車だけがない。
事故の危険も高くなりそうですよね。
明るさ問題
私の目は明るさの調節が苦手です。
明るいときは眩し過ぎちゃうし、暗いときは真っ暗です。

時間が経てばそれなりに見えるようになってくることもあるけど、眩しいときは道具を使って対策をしています。
子供を保育園に送迎する以外はほとんどひきこもっていますが、それでも夏の眩しさは帽子とサングラスと日傘が必須です。
保育園の送迎でサングラスって、一歩間違えば不審者ですよね。
でも、時期によってはマスクも追加で送迎しています。
一応、門のところではサングラスを外しますが、先生からは「事情もわかってるし、気にしなくて大丈夫ですよ」と言ってもらえているのが救いです。
ちなみに、晴れた日だけではなく、曇りの日も眩しいのでサングラスをかけることもあります。
夕方は一番見えにくい時間です。
夕日って結構目が疲れるんですよね。
建物に反射して、目が焼けているようなジリジリした痛みもあります。
夜は暗くて見えないんだけど、一番順応してる気がします。
ここが自分でもわからないんですが、夜盲とは違うのかもしれません。
時間が経てば、ある程度は見えるようになってくるんです。
色覚問題
色の判別がしにくいときがあります。
朝と夜では見え方が違っていて、目が疲れているときほど色覚問題が出てきます。
例えば、信号機の色が見えないときがあります。
結構危ないんですが、近所の信号機は青になると音が鳴るので目と耳で安全確認をしています。
子供が一緒のときは、子供に色を聞いたりもします。
夫がいるときは夫にフォローしてもらっていますよ。
視覚障害といっても見え方はさまざま
視覚障害といっても症状は違うので、「これは大丈夫だけどそれは無理」ということが多々あります。
それは特別なことじゃなくて、「そういうもの」という感覚で生活しています。
常に同じ見え方ではなく、疲れていればより見えにくくなるだけ。
それが私の普通だし、見える見えないは聞いて欲しいことなんですよね。
その時々によって違うから。
少しでも視覚障害者の目の見え方が伝わればと思います。
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